サファイアの特徴や人気を集める理由について解説

サファイアは、ダイヤ、ルビー、エメラルドと並んで4大宝石と呼ばれている宝石の代表格です。深い青色をしていて、神秘的な雰囲気が感じられる点がとても魅力的です。そこで本記事では、サファイアの概要や歴史、人気を集めている理由について詳しく解説します。本記事の内容が、サファイアに関心をもつ人の参考になれば幸いです。

サファイアの概要と歴史

まずは、サファイアの概要と歴史的背景についてみていきましょう。

サファイアの概要

サファイアはコランダムという鉱物の一種であり、その美しさ、希少性、耐久性から宝石として認められています。

コランダムは元々は透明ですが、鉄やチタンなどの成分が加わることでさまざまな色に変化するのです。赤色が含まれればルビーと呼ばれ、その他の色合いはすべてサファイアと呼ばれます。サファイアは透明度が高く、その美しさが際立っています。

希少性も非常に高く、美しい色のサファイアは、わずかなサイズでも数十万から数百万円で取引されることも珍しくありません。また、サファイアはコランダムの一種であるため非常に硬く、モース硬度ではダイヤモンドに次いで9とされます。

これにより、サファイアはほかの物質に傷を付けることができ、研磨剤としても使われます。ジュエリーボックスで保管する際には、ほかのジュエリーと擦り合わないよう注意が必要です。

サファイアの歴史

サファイアの歴史は非常に古く、ギリシャ神話にも登場します。

ゼウスと敵対したプロメテウスがサファイアを火山から採掘して身に付けた伝説があります。古代ギリシャでは、サファイアは目に良いとされ、毒薬の解毒効果も信じられていました。また、古代ペルシア人はサファイアの反射によって空が青く見えると考えていました。

聖書にもサファイアが言及されており、モーセに与えられた12の宝石のうちのひとつとされています。マルコ・ポーロは、モンゴルに行く際に美しいサファイアを手土産として持参し、その際、フビライ・ハンに感謝されました。

中世には、サファイアは王侯貴族に愛用され、持ち主を危険や嫉妬から守ると信じられていました。近年で最も有名なサファイアとしては、1981年にイギリスのチャールズ皇太子からダイアナ妃への贈り物として知られる18カラットのサファイアリングがあります。

このリングはダイヤモンドで囲まれたサファイアで、現在はウィリアム王子に受け継がれ、キャサリン妃に贈られました。

サファイアが人気を集める理由

サファイアは四大宝石のひとつとして非常に有名で、高い人気を誇ります。

その人気の理由を、順を追って見ていきましょう。

9月の誕生石

サファイアがとくに有名で人気の理由のひとつが、9月の誕生石であることです。

誕生石は国によって異なりますが、日本では1958年に全国宝石卸商協同組合によって定められた19種類の宝石のうち、9月の誕生石としてサファイアが選ばれました。誕生石は一般的に知られているため、宝石に興味がない人でも耳にしたことがある場合が多いです。

この認知度の高さが、サファイアの人気につながっています。

石言葉

また、サファイアには石言葉があります。一般的なブルーサファイアの石言葉は誠実と博愛です。

ブルーサファイアの深い青色は誠実を象徴し、古くから空の象徴とされてきたことから博愛のイメージも含まれています。これらの石言葉は、サファイアに対する感情的な魅力を高め、人気の理由となっています。

希少な種類の存在

さらに、サファイアには珍しい種類があり、その希少性も人気の一因です。

一般的に知られているブルーサファイア以外にも、多くの色や特徴をもつサファイアが存在します。たとえば、パパラチアサファイアはピンクとオレンジの中間の色合いをもつ非常に希少な石で、アレキサンドライトやパライバトルマリンと並ぶ世界三大希少石のひとつとされています。

主にスリランカで採掘されますが、色の基準に合えば産地に関わらずパパラチアサファイアという呼称です。また、スターサファイアも希少性の高いサファイアとして人気です。スターサファイアは内部に白い筋が交差して星の模様を形成しています。

この星の模様は4条の星や6条の星と呼ばれ、とくに6条の星が二つ現れる12条の星は非常に希少で美しいとされています。

サファイアを選ぶ際のポイント

サファイアは、ジュエリーとして身に付ける楽しみ方が最も一般的です。

サファイアを選ぶ際には、気を付けたいいくつかのポイントがあります。

色

まず、サファイアのランクを判断する基準として、色、内包物、そして大きさがあります。

サファイアの色は評価において非常に重要で、とくにカシミールブルーとロイヤルブルーの色合いは高ランクとされています。これらの色のサファイアは非常に高価であり、ジュエリーショップで簡単に手に入るものではありません。

しかし、一般的に色が鮮やかで透明度が高いものほどランクが高いとされます。逆に、色が濃く暗いものは評価が低くなる傾向があります。

内包物

次に、サファイアの内包物も重要です。

サファイアに含まれるインクルージョンは一般的に美しさを損なうとされます。しかし、スターサファイアのように特別な美しいインクルージョンがあれば例外です。一般的にはインクルージョンが少なく、透き通った石のほうが高く評価されます。

しかし、その石の個性としてインクルージョンを気に入る場合もあるため、一概にインクルージョンがあるから評価が低いとはいえません。

大きさ

さらに、サファイアの大きさも重要な要素です。

サイズが大きいほど、その価値は高まりますが、サファイアは天然石であり、同じ条件の石はほとんど存在しません。そのため、色やインクルージョンなど、ほかの条件とバランスをとって判断する必要があります。

まとめ

サファイアは、その深い青色と神秘的な魅力から、四大宝石のひとつとして高い人気を誇ります。コランダムという鉱物の一種で、美しい色合いや耐久性が評価されています。サファイアは古代から神話や歴史に登場し、目に良いとされるなど信仰の対象でもありました。その人気の理由には、9月の誕生石としての広い認知度や誠実や博愛といった深い石言葉があります。また、希少なパパラチアサファイアやスターサファイアの存在も魅力を増しています。サファイアを選ぶ際には、色、内包物、大きさなどが評価基準となり、自分にとっての美しさと価値を見極めることが大切です。